CPUグリスの種類と塗り方で温度は変わる?自作PCで検証してみた
- 安価に入手できるグリスから高いグリスまで気になったグリスを比較
- グラム当たりの単価が高いグリスは性能が高かった
- グリスの塗り方でも温度は変わるか検証
グリスの種類ごとに温度を検証
今回、5種類のグリスを用意し、温度に変化があるかを確認しました。
使用するグリスと検証環境
グリス種類
以下のグリスを使用して確認しました。使用する機材は次の「検証環境」に記載しています。価格や単価はすべて税別です。
種類 | 製品名 | 容量 | 1グラム当たりの単価 | 購入価格 |
---|---|---|---|---|
標準塗布のグリス | —– | —– | —– | —– |
カーボングリス | アイネックス GS-10 | 0.5g | 1,060 | 530 |
シリコングリス | アイネックス GS-02 | 1g | 300 | 300 |
シルバーグリス | アイネックス AK-450-SS | 1.5g | 432 | 647 |
ナノダイヤモンドグリス | アイネックス HTC-03 | 5g | 278 | 1,391 |
クマさんグリス | thermal grizzly Kryonaut 1.5ml | 5.5g | 500 | 2,750 |
検証環境
パーツ種類 | パーツ名称 |
---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 3400G |
CPUクーラー | CPU付属クーラー |
マザーボード | GIGABYTE B450 I AORUS PRO WIFI (rev. 1.0) |
机の上に直置きして、CPUクーラーの着脱がすぐに行える環境にしました。
エアコン等を使用していないため、空気の動きによる温度への影響はありません。
検証方法
たくさん発熱させられるよう、3DMark TIME SPYを使用しました。アイドル時、高負荷時の温度は以下の内容で取得しました。
- 5回計測
- 最低値、最高値を捨てて中間3つの値を平均
- 明らかにおかしい温度が計測された場合はその回をやり直し
- 次の計測を行う前にアイドル状態にして安定させる
- グリスはCPUの中心に適量を盛り、延ばさずにCPUクーラーを取り付け
検証結果
アイドル時、高負荷時の温度は次の通りでした。
アイドル時の温度
まず標準グリスの結果ですが、他のグリスよりも温度が低くなる傾向がありました。
それ以外のグリスの結果はほぼ30度前後でしたが、標準グリスと比較して極端に高い、低いということはありませんでした。
高負荷時の温度
AMDの標準CPUクーラーは、昔から「冷やすためのCPUクーラー」というイメージのため、グリスもいいものを使用しているのでしょうか?(なお種類は不明)
温度は約70度でしたが、「thermal grizzly Kryonaut 1.5ml」は他と比較して温度が1度ほど低い結果となりました。
発熱が少ないCPUでは差はないが・・・
発熱が少ないCPUでは、目に見えるような性能差はありませんでした。
その中でも「thermal grizzly Kryonaut 1.5ml」は温度が最も低くなるグリスでした。
発熱が多いCPUを使うとき、お勧めしたいグリスです。
1グラム当たりの単価と実際の購入価格もグラフにしてみました。
70度前後ではナノダイヤモンドグリスがコストパフォーマンスがよさそうです。
このグリスは容量が多いので、頻繁に使用することが前提ならばいちいち購入しなくてもいい、というメリットもあります。
以上がグリスの違いによる温度の違いでした。
発熱の多いCPUだと差が出そうな感じもするので、機会があれば(=いつか購入したら)発熱量の多いCPUで検証を、と考えています。
今後私が使っていくチョイス
性能の「thermal grizzly Kryonaut 1.5ml」、コスパの「ナノダイヤモンドグリス」、個人的チョイスは、問題がないようであれば「ナノダイヤモンドグリス」を使っていこうと思います。
さて、せっかくなので、次のページではもうひとつ実験をしてみようと思います。