
グラフィックスボードを搭載せずにパワフルなPCを作りたい!
そんな考えを持つあなたにピッタリなCPUがここにあります。
2020年8月、Zen2仕様のAPU、AMDの「Ryzen PRO 4000Gシリーズ」が販売開始となり、早速購入しました。
Ryzen 5 3400Gも不満なく使用できていましたが、さすがに8コアはCPU上にボトルネックがないように感じます。また、CPUクーラーのファンが、高回転する頻度が減ったように見うけられます。
CPU性能、GPU性能、この2つの性能が向上と、これまで使用していたRYZEN 5 3400Gと何が違うのかを比較してきます。
Ryzen 7 PRO 4750GはどんなCPU?

AMDのウェブサイトによると、以下の性能を持つCPUです。スペックの比較対象として、Ryzen 5 3400Gも併記します。
項目 | Ryzen 7 PRO 4750G | Ryzen 5 3400G |
---|---|---|
CPUコア数 | 8(16スレッド) | 4(8スレッド) |
GPUコア数 | 8 | 11 |
ベースクロック | 3.6GHz | 3.7GHz |
L1キャッシュ | 512KB | 384KB |
L2キャッシュ | 4MB | 2MB |
L3キャッシュ | 8MB | 4MB |
TDP | 65w | 65w |
アーキテクチャ(製造プロセス) | Zen2(TSMC 7nm) | Zen+(12nm) |
これまで使用していたRyzen 5 3400Gと比較して、コア数は2倍、ベースクロック微減、ほかキャッシュ容量が増加しています。
GPUコア数が減少していますが、実際の描画性能はのちほどベンチマークの結果で比較します。
この製品、パッケージ販売はありません。
バルク販売のみです。本来はメーカー製PCやBTOのPC(ショップブランドPCなど)での使用を前提としており、標準のCPUクーラーがついていない、化粧箱がないなど、通常の製品とは扱いが異なります。
事情は不明ですが、日本ではバルク扱いで出回ることになったので、在庫があればショップで購入が可能です。
PCパーツ構成

以前組み立てたPCから構成変更をしました。
今回はCPU、マザーボード、OSを入れ替え、後追いでM.2 SSDを追加して通常のSSDを排除しました。
パーツ種別 | パーツ商品名 | 今回購入 (税込) |
---|---|---|
CPU | AMD Ryzen 7 PRO 4750G | 43,978円 |
マザーボード | GIGABYTE AORUS B550I PRO AX | 21,450円 |
メモリ | G.Skill Trident Z Neo F4-3200C16D-32GTZN | 流用 |
グラフィックスボード | SAPPHIRE PULSE RADEON RX 5700 XT 8G | 流用 |
M.2 SSD(1) | WD BLACK SN750 NVMe 500GB | 流用 |
M.2 SSD(2) | WD Blue 3D NAND SATA SSD WDS100T2B0B | 流用 |
ケース | RAIJINTEK OPHION EVO | 流用 |
電源 | Corsair SF750 | 流用 |
OS | Windows10 Pro | 23,800円 |
以前の構成は以下の記事で紹介しています。
AMDのAPU「Ryzen5 3400G」とRAIJINTEK「OPHION EVO」でオシャレなMini-ITXの小型PCに作るぜ!
また、M.2 SSD(2)についての入れ替えは、以下の記事で紹介しています。
2つの理由を根拠に内蔵SSDをすべてM.2化したらやっぱり快適だった
個人的見解ですが、Mini-ITXの構成としては、なかなか高性能なPCになっているかと思います。
また、CPUまたはグラフィックスボードを交換して簡単にアップグレードできる構成なので、今後、どちらかをアップグレードできたらと考えています。
ベンチマーク
CPU性能をCINEBENCHで、描画性能を3D MARKでベンチマークテストを行いました。
Ryzen 7 PRO 4750GはGIGABYTE AORUS B550I PRO AXに搭載して、Ryzen 5 3400GはGIGABYTE B450 I AORUS PRO WIFIに搭載して確認しているため、マザーボードの性能差も乗ってしまっていますが、おおまかな値としては妥当と考えています。
CINEBENCH R23


3D MARK

3DMARKのスコアについては、参考としてRADEON RX 5700XTを使用した結果も載せました。
グラフィックススコアは、Ryzen 5 3400Gと比較して約10%向上しています。
「Transport Fever 2」「Need For Speed Heat」を、どちらのCPUのグラフィックス機能を使用してプレイしてみましたが、解像度をFHD、影の設定などを落とすなど、設定見直すことでカクツクことはありませんでした。
「Transport Fever 2」は街が大きくなると動作が鈍くなります。最初から規模が決まっているゲームであれば、設定見直しのみでプレイできると考えます。
ゲーム中にフリーズする?
今回の構成に変更してから、ゲーム中に突然フリーズする現象が多発するようになりました。
調べてみると、どうも同様の現象が出ているように見受けられました。
私がとった対応はこれ。
RAM Testなどメモリ安定性テストをクリアできるのに、iGPU負荷でクラッシュする場合は、SOC電圧を1.100~1.200Vに昇圧するだけでiGPU負荷でも安定することが多いです。
AMD Ryzen 7 PRO 4750Gのグラフィック性能とメモリOCについて
最初は、OCメモリのプロファイルをそのまま適用したことが原因かと思ってました。しかし、動作速度を3200から3000に落とすなどの設定をしても状況が改善されません。
そこで調べていたところに上記の記事を発見し、BIOS画面からSOC電圧を「Auto」から「1.100」に変更するに至りました。
現在のところ、ゲーム中にフリーズするということがなくなったので、しばらく様子を見てみようと思います。
待ちわびたZen2仕様のAPUを購入してマシンも心も大満足
これまで6コア、4コア、そして今回の8コアと遷移してきたので、これからじっくりゆっくり、Zen2仕様を楽しめたらと思い購入しました。
結論として「このCPUはすごい」。
Zen2仕様に変わってなにが変わったか?と言われると、数値上の消費電力が変わらずに性能が上がったかもしれません。
このCPUの性能をフルに発揮できるような使い方はしないかもしれませんが、8コアあることで動作にストレスがかからないと思えるならば、このCPUに価値があると考えています。
発売日に手に入れることができた、という心の満足感の方がはるかに高いです。今まで発売日にCPUを入手することがなかったので、初日に適することができたことも満足度が高い一因になっています(性能と無関係ですね)。
いいCPUですよ、本当に。
購入データ
CPU AMD Ryzen 7 PRO 4750G
購入店舗:ドスパラ秋葉原本店
購入金額:43,978円(税込)
マザーボード GIGABYTE AORUS B550I PRO AX
購入店舗:ドスパラ秋葉原本店
購入金額:21,450円(税込)