AMDの新型APU「Ryzen3 2200G」をMini-ITXで自作した

AMDの新型APU「Ryzen3 2200G」をMini-ITXで自作した

「Ryzen3 2200G」とMini-ITXマザーボードで小型PCを作ろう!
予算を抑えたコンパクトでパワフルなPCを目指します。

Ryzen3 2200G で小型PCを作ろう!

いつかはMini-ITXで小型PCを作るんだ!
そういう考えを持ち始めて約2年 , ようやくチャンスが訪れました。今回はAMDの新型APU「Ryzen3 2200G」でパソコンを新調することにしました。
今回の自作PC , 所有者は自分ですが家にいる別の人がメインで使用します。したがって私はベンチマークソフトを動かしてみるくらいしか使わないでしょう。

各パーツは2018年3月4日にツクモ池袋店にて購入,価格については購入時点での価格をこの記事内に詳細を記載します。記事に記載された価格は「税別」となります。 初めてのツクモ池袋店での一式購入,初めてのAPU , 初めてのMini-ITX。いったいどんなマシンに仕上がるのでしょうか。

Ryzen3 2200G を使ったPCのパーツ構成

Ryzen3 2200GとMini-ITXマザーボードを使った構成を紹介します。
書式は「自作PC 構成見積もり てすと」(http://niku.webcrow.jp/)のものを流用し , 価格は実際の購入価格を記載しています。価格は2018年3月4日時点のものですべて税別です。

【CPU】AMD CPU Ryzen 3 2200G with Wraith Stealth cooler 12,800円
【CPUクーラー】リテール
【メモリ】CFD PC用メモリ PC4-19200(DDR4-2400) 4GB×2枚 / W4U2400CM-4G 9,980円
【マザーボード】ASRock AB350 Gaming-ITX/ac 12,400円(セット割引適用)
【ビデオカード】なし
【サウンド】なし
【SSD】なし
【HDD】1TBのHDDを流用
【光学ドライブ】外付け使いまわし
【ケース】METIS(Plusじゃない方) 2,980円
【電源】CORSAIR 450W SFX電源ユニット SF450 10,980円
【OS】Windows 10 Home 64bit 日本語 DSP版 13,800円
【モニタ】iiyama XU2290HS-2(21.5インチ液晶モニタ) 13,999円
【その他】SilverStone 取り付けアダプタ ブラケットSST-PP08 980円
【合計】77,919円(税込84,152円)

モニタのみパソコン工房BUY MORE店にて購入しました。
HDDは流用なので , 実際に購入したらプラス8,000円くらいになるでしょう。今まで300GBのディスクだったらしく「1TBは確実に使い切らない」と言われましたが大は小を兼ねるということで1TBのものを流用しました。
特筆すべきはケース。初代METISの処分品かと思われますが , それでも超特価品です。税込みでも3,200円くらい。ここの予算を12,000円くらい取っていたので助かりました。

【CPU】AMD Ryzen3 2200G

今を時めくCPU,AMD Ryzen3 2200G。
いわゆる「APU」と呼ばれているグラフィック描画機能を搭載したCPUです。

コア数4,スレッド数4(4C4Tと略されます),ふつうに使用するなら十分な性能を持っています。この記事を書いている時点で,自分がかつて使用していたCore i5-4590と同じコア数です。キャッシュ容量が違うので単純比較はできませんが , それでも同等かそれ以上かと思われます。

描画性能は,たとえばMinecraftをバニラで動かすなら,このCPUに搭載されているVega 8グラフィックスで問題ありませんでした(実際に動かしてみました)。画質や解像度の設定を見直すことで,最近のゲームもそれなりに動くとの話です。これ以外のゲームですと,A列車で行こう9とNeed for Speedくらいしかプレイしませんが,実験していないのでどれくらい動くかは未知数のままです。

【電源】CORSAIR SF450(SFX電源)

電源はCORSAIRの「SF450」です。
SFXタイプの450W電源で,ケーブルはフルプラグインです。

Mini-ITXで組み立てるにあたり,余計なケーブルがないことは非常に重要です。

なぜそう思うか?
ATXサイズで比較的作業がしやすい大きさのケースを使っていても,フルプラグイン電源が非常に扱いやすかったからです。作業性は大事です。

グラフィックボードを搭載しないPCならば,さらに少ない電源容量でも問題ないでしょう。フルプラグインという選択をすると,最低450wになってしまいます。

以前自分用に購入した電源がシーソニックだったので,コルセアを使ってみたかった気持ちもあります。
自分が使用するPCの電源は「シーソニックにするかコルセアにするか」とさんざん悩んだくせに,他人が使用するPCは「コルセアでいいよねー」っていう軽い感じで選びました。

【マザーボード】ASRock AB350 Gaming-ITX/ac

マザーボードはMini-ITXサイズ,Asrock「AB350 Gaming-ITX/ac」です。

AM4でMini-ITXの選択肢が少なく,どのマザーボードを購入するか悩みました。しかし以前からAsrockの製品に興味があったので,この機会に購入してみることにしました。
普段使いのPCなのにゲーミングモデルなのでややオーバースペック気味な感じもしますが,長く使うなら耐久性の高そうなゲーミングモデルもいいかもしれません。

箱から出した直後の画像がありました。画像だとわかりづらいですが , ATXタイプのマザーボードと比較すると本当に小さいです。

この大きさで巨大なグラフィックボードまで搭載できる,ということに驚きます。

機能的にも申しぶんなく,信頼性の高いIntel製のLANや Realtek ALC1220 オーディオコーデックを搭載し「 Creative Sound Blaster Cinema 3 」によるより高品質な音の出力を行うなど,小さいマザーボードにこれでもかと詰め込んでいます。

ケースに組み込んでいく

パーツの紹介もほどほどに,さっそく組み立て作業に入ります。
小さいマザーボードに小さいPCケースなので,普段ATXしか触らない私は少し神経を使いました。

さぁマザーボードにCPUを載せようか,というところでネコが観覧にやってきました。お前らなにしてるん?みたいな感じです。

一通りにおいを確認して部屋を出ていく・・・,ことはなく , 結局組み立て終盤まで部屋の中でうろうろしていました。そんなににおいが気になるんかい。

マザーボードにCPUを載せます。
久々にCPU側にピンがある状態にちょっとドキドキしました。

CPUクーラーはリテールのものを使用します。グリスもクーラーについているそのままのものを使用したので,あとでクーラーを取ったときにスッポンしそうな気がします。

電源は結構小さいはずなのに,マザーボードが大きく見えない・・・。それだけMini-ITX規格は小さいサイズだということですね。

リテールクーラーのネジを締めるのに,結構な力が必要でした。ネジ穴まで届きづらいので2人で作業しています。一人がクーラーのネジを締める側のフチを全力で抑え込み,もう一人がドライバーでネジを締めこんでいくという作業をしました。ばね式のネジが結構な反発力を持っており,一生懸命に力で押し込まないと4か所きちんと入ってくれません。

ケーブルの取り廻しやネジ取り付けも,2人いると楽です。
Mini-ITXケースという小型なケースですが,作業手順さえ間違えなければ作業はすんなりと進んでいきます。

最後まで組みあがりました。
ケースはRaijintekのMETISです。マザーボードを倒立で組み込むタイプで「中を見ながらPCを使いたいよ」という人は,自分が座る位置の左側に置かないと見ることができません。
フルプラグインのケーブルが,電源側もマザーボード側も挿すのに硬すぎてやや苦労しました。

Mini-ITXのマザーボードとケースを使用して作ることに非常に興味があったのですが,なにぶんにもこんな小型ケースにパーツを組み込むのが初めてなものでおっかなびっくりの作業です。しかしケースの作りがいいのか今までの経験が生きたのか,そんな心配をよそに作業はスムーズに進みました。
裏配線できるケースではありませんが,ケーブルの取り回しはうまくできるケースだなと感じました。仮にグラフィックボードを搭載しても,取り付けは意外に簡単にできそうです。

ベンチマークを走らせる

せっかくなので性能を数値化してみましょう。
ということでベンチマークソフトを動かしてみました。数値にどんな意味があるかを詳しく解析できるわけでもありませんが,見る人が見ればわかるかと思いますのでご参考程度に。

他のアプリケーションを終了させるのを忘れていたため,ブラウザなどのアプリが動いている状態でベンチマークソフトを動かしています。この点については,環境を見直すことでさらにいいスコアを出してくれると思います。
比較として自分のPCで走らせた結果も載せます(CPU:Core i5-4590/グラボ:GTX970)。

最初にファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークを実行しました。

結果:
 SCORE:4385
 平均フレームレート:29.964
評価:快適
-快適な動作が見込めます。グラフィック設定をより高品質にしても快適に動作すると思われます。
ローディングタイム:
シーン#1 8.454sec
シーン#2 8.736sec
シーン#3 7.954sec
シーン#4 11.237sec
シーン#5 24.055sec
シーン#6 5.380sec
合  計 65.819sec

描画設定
-水濡れ表現を有効にする: 有効
-オクルージョンカリングを有効にする(見えないものの描画を簡略化する): 有効
-LODを有効にする(遠影表示に簡易モデルを使用し描画負荷を軽減する): 無効
-リアルタイムリフレクション: 最高品質
-アンチエイリアス: FXAA
-ライティングの品質: 高品質
-細かい草の表示量: 最大表示
-背景の細かい凹凸表現: 高品質
-水面の凹凸表現: 高品質
-照り返しの表現: 標準品質
影の表示設定
-自分: 表示する
-他人: 表示する
影の表現
-キャラクターの影のLODを有効にする: 有効
-影の解像度: 高解像度:2048ピクセル
-影の表示距離: 最長表示
-ソフトシャドウ: 強く
テクスチャ品質
-テクスチャフィルタ: 異方性
-テクスチャ異方性フィルタ: x8
揺れの表現
-自分: 適用する
-他人: 適用する
画面効果
-周辺減光を有効にする(画面の隅を自然に暗くする効果): 有効
-放射ブラーを有効にする(爆発などで周囲に向かって画面をぼかす効果): 有効
-SSAO(立体感を強調する効果): HBAO+:標準品質
-グレア(光があふれる表現): 通常表現
カットシーン効果
-被写界深度表現を有効にする: 有効

解像度1920×1080では「やや快適」,1280×720では「快適」となりました。
水や影の表現について設定をもう少し見直したら,これよりさらにいい結果が得られることでしょう。
私が使用しているGTX970の映像と比較して,Vega8は映像がシャープな印象を受けました。個人的にはRadeonの色合いの方が好みかも。
オブジェクトが多い箇所でもたつくところもありましたが,基本的にはストレスがない感じです。グラボなしでここまで動くのは正直すごいと思います。Ryzen5 2400Gだとどうなっちゃうんでしょう?

CINEBENCHでも同じように計測しました。

OpenGL 40.08 fps
 Ref.Match 98.0%
CPU 448 cb
CPU(Single Core) 72cb
 MP Ratio 6.21 x

特にSingleCoreのときに少し動作がもたついた感じがしました。グラボ有無の影響でしょうか?

続いて,参考として自分が使用しているPCでも計測しました。

そこそこのグラフィックボードを積んでいるで,このスコアで納得です。スコアは2200Gの2.5倍くらい出ています。もしRyzen3 2200Gが自分のPCの7割くらいの数値だったら,それは多大なショックを受けてしまいそうでしょうけど,さすがにそこまでの性能は出ないですね。

OpenGL 98.51 fps
 Ref.Match 99.6%
CPU 482 cb
CPU(Single Core) 130cb
 MP Ratio 3.71 x

OpenGLの値がRyzen3 2200Gの2倍となっています。
またシングル性能はRyzen3 2200GよりもCore i5-4590の方がはるかに高いことがわかります。

「CrystalMark 2004 OpenGL Part」の結果はRyzen3 2200GとCore i5-4590で計測した2枚を同時に紹介します。

ALU(整数演算)はRyzen3 2200Gが74996,自分のPCが72730となっており,2200Gが速かったです。FPU(浮動小数点演算)はRyzen3 2200Gが43323,自分のPCが45831となっており,自分のPCが上回りました。

これ以外の数値については,私にはよくわかりません。漠然と「差が出ているな~」くらいに眺めていました。

トラブル対応

WiFiアンテナを付けると不正なデータを処理しているような感じになり,突然再起動する状態でした(イベントログに大量のエラーが作成されます)。ドライバ再インストール等を試みましたが解決できませんでした。
悩んでもしょうがないので,USBポートにつけるアンテナを取り付け,マザーボード上のネットワーク機器はすべて無効化して再起動される現象を回避しました。

そのほかに,一瞬だけ画面がブラックアウトする現象が出ていました。
以下のページを参考にレジストリをいじって様子見です。

参考にしたページ

【dwm.exe】マルチディスプレイでdwm.exe が落ちる場合の安定化対策メモ
 →レジストリ編集でdwm.exeの設定を変更する
  http://did2memo.net/2014/06/12/dwm-exe-crash-multiple-display/#dwmexe
追加したレジストリキー(上記ページから引用)
「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\DWM\Schedule」にキーが「FrameRateMin」,DWARD値が16進数で「3c」のエントリを追加

「HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Avalon.Graphics」にキーが「Force10Level9」,DWARD値が「1」のエントリを追加

ブラックアウトや画面が緑色になる現象は,結局解消されないままです。しかし頻度はドライバ更新とともに落ちていると感じました。

AMD Ryzen3 2200G を使ってみた感想

引っかかる感じなどは一切ありません。驚きの快適さです。
ブラウザで複数タブを起動してみましたが,これもストレスなく動作します。CPUコアは4コアですが,処理のロジックが改善されているのか,遅いと感じることはありませんでした。

私としてはかなり気になるオンボードサウンド機能。
CDから取り込んだflacファイルがあったので聞いてみましたが,これはやばい!
私の耳ではSoundBlaster AE-5と遜色ない感じです。というか同等?

SoundBlaster AE-5は左右にステレオされた音がさらに前後にステレオされている感じがするので,いい音を楽しみたいときはUSB-DACなどを別に買いましょう。ただ,最近のオンボードサウンドはかなりレベルが高いと思います。実際に聞いてみたら想像以上の音で,正直なところスマホよりも音の出し方は素直であり,聞いていてまったく違和感はありません。
オンボードサウンドでも本当にいい音をだしてくれます。時間の流れとともに,しっかり進化していたんですね。

半年~1年以内に自分のPCを更新しようと考えています(本当は上記PCを作るお金で自分のPCを作る予定でした)。どのマザーボードにするか,CPUはさらに新しいものが出たら検討するのか,など今から楽しみです。
ケースについてはATXタイプのケースも好きですが,Mini-ITXのコンパクトさに惹かれて新たに自分用のものも欲しくなってしまいました(実際に作るかは別ですが)。
予算も10万円以内に収めることができ,仮にHDD,マウスやキーボードを購入しても10万円以内に収まることが予想できるので,なるべく安く手堅いマシンを手に入れたいならば,AMD Ryzen3 2200Gはいい選択だと思いました。